
BL~中編・長編集2~
第13章 ~天然男子の純愛~
「あ、あの…べ…んきょうしたいから、退いてもらっても…いい…か、な…?」
で、気がついたらこんなことを口走っていて…
高羽さんは、僕の言葉を聞いて目を真ん丸くした。
自分でもびっくり。 だって、前までの僕だったら、京ちゃんのところに逃げて行っただろうから。
協力してって頼まれてたし、また呼び出されるのを恐れて、絶対そうしたはず。
「……ぁ…も、もちろんいいよ!! 使っちゃってごめんね?」
まさか席を譲れと言われるとは思っていなかったんだろうね。
少しの間ポカーンとしていた高羽さんは、慌てて僕の席から立ち上がると、席を返してくれた。
もちろん、すごい睨まれたけど。
「…ありがとう。」
自分で自分の行動にびっくりしながら、席に座った。
高羽さんも自分の席に戻るかと思いきや、立ったまま一颯君と話し始めて、ものすごい執念だな…って、感心しちゃった。
やっぱり、恋する女の子は強いのかなぁ…
なんて、呑気なことを考えながら、その日を過ごした。
「九重君、ちょっといい?」
一颯君に対する気持ちを自覚してから数日後……覚悟はしていたけど、とうとうやって来てしまった。
掃除を終え、部活に向かおうとした僕を引き留めたのは、高羽さん。 もちろん、後ろにはお友達が二人いる。
「…あ、の…今じゃないとダメ…かな…?」
今日はオーディションがあるんだ。 それは高羽さんも一緒なはず。 オーディション、受けなくてもいいの?
「今じゃないとダメ。」
「……わかった。」
いずれは来るとわかってた。 だって、僕はあの日から高羽さんに協力していないから。
協力すると約束しておいて、途中で放り出すのは無責任だと思う。 でも……一颯君に対する気持ちは譲れない。 僕だって…
「どうして…最近、協力してくれないの?」
「…………」
高羽さんに負けないくらい、一颯君が好き。
「私、お願いしたよね? 協力してって。」
「…………」
「っ…なんとか答えなさいよ!!!!」
何も答えない僕が頭に来たのか、前回僕を責めてきた子が声を荒げた。
もう一人の子…京ちゃんのことが好きであろう子は、前と同じで黙り込んでしまっている。 そういえば…この子は、僕に対して何も言ってこないなぁ…なんか、付き合わされてる?って感じで…
で、気がついたらこんなことを口走っていて…
高羽さんは、僕の言葉を聞いて目を真ん丸くした。
自分でもびっくり。 だって、前までの僕だったら、京ちゃんのところに逃げて行っただろうから。
協力してって頼まれてたし、また呼び出されるのを恐れて、絶対そうしたはず。
「……ぁ…も、もちろんいいよ!! 使っちゃってごめんね?」
まさか席を譲れと言われるとは思っていなかったんだろうね。
少しの間ポカーンとしていた高羽さんは、慌てて僕の席から立ち上がると、席を返してくれた。
もちろん、すごい睨まれたけど。
「…ありがとう。」
自分で自分の行動にびっくりしながら、席に座った。
高羽さんも自分の席に戻るかと思いきや、立ったまま一颯君と話し始めて、ものすごい執念だな…って、感心しちゃった。
やっぱり、恋する女の子は強いのかなぁ…
なんて、呑気なことを考えながら、その日を過ごした。
「九重君、ちょっといい?」
一颯君に対する気持ちを自覚してから数日後……覚悟はしていたけど、とうとうやって来てしまった。
掃除を終え、部活に向かおうとした僕を引き留めたのは、高羽さん。 もちろん、後ろにはお友達が二人いる。
「…あ、の…今じゃないとダメ…かな…?」
今日はオーディションがあるんだ。 それは高羽さんも一緒なはず。 オーディション、受けなくてもいいの?
「今じゃないとダメ。」
「……わかった。」
いずれは来るとわかってた。 だって、僕はあの日から高羽さんに協力していないから。
協力すると約束しておいて、途中で放り出すのは無責任だと思う。 でも……一颯君に対する気持ちは譲れない。 僕だって…
「どうして…最近、協力してくれないの?」
「…………」
高羽さんに負けないくらい、一颯君が好き。
「私、お願いしたよね? 協力してって。」
「…………」
「っ…なんとか答えなさいよ!!!!」
何も答えない僕が頭に来たのか、前回僕を責めてきた子が声を荒げた。
もう一人の子…京ちゃんのことが好きであろう子は、前と同じで黙り込んでしまっている。 そういえば…この子は、僕に対して何も言ってこないなぁ…なんか、付き合わされてる?って感じで…
