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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「詩音、大丈夫か?」

「!!」

なんて、先輩達の仲の良い?やり取りを見ていたら、棗先輩の後ろから遠慮がちに顔を覗かせたのは…

「京ちゃん!!」

心配そうな表情を浮かべた京ちゃんだった。

どうして、京ちゃんがここに…今、まだ授業中なのに…

「よかった。 元気そうだな。」

「うん、大丈夫。」

先輩達とは反対側に回った京ちゃんは、僕が元気なのを見てほっとしたように笑って、頭を撫でてくれた。
京ちゃんの手は、やっぱり大きくて……中学の頃から僕を守ってくれた手だから、それだけですごく安心した。 それと同時に、心配かけて申し訳ない…という罪悪感も覚えたわけで…

「心配かけてごめんね。」

「気にすんな。」

あ、そうだ。 どうしてここにいるのか、聞いてみようかな。
今授業中だし…自習だけど、なんで僕が保健室にいるってわかったんだろう?

「京ちゃん…どうして、僕がここにいるってわかったの?」

「あぁ…あの先輩が、教室まで来て教えてくれたんだよ。」

京ちゃんが示したのは、相変わらず楓先輩に抱き付こうとしてあしらわれている棗先輩。

あぁ…だから、目が覚めた時に、楓先輩しかいなかったんだ。 棗先輩、京ちゃんを呼びに行ってくれたんだ。
ん? でも、棗先輩は京ちゃんが僕の友達だって知らないよね? なんで京ちゃんがここに…?

「本当は沖田が来るはずだったんだけどな。 高羽に捕まってて来れなくてさ。」

「あ、そ…うなんだ…」

今日の自習の時間は、先生来ないって言ってたから…たぶん、みんな友達と話してるんだと思う。 高羽さんが、その時間に一颯君のところに行かないはずがない…よね。
一颯君も、無理言って僕のところに来れるわけないんだし……僕の心配なんかより…高羽さんと話す方が…

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