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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「僕…い…ぶき君と一緒にいると、胸が苦しくなる…んです。」

どうして、胸が苦しくなるのか。 どうして、一颯君に優しくされると、泣きそうになるのか。 どうして、一颯君と高羽さんが一緒にいるのを見ると、胸が痛くなるのか。
どうして…

「一颯君に優しくされると泣きそうになるし、高羽さんと楽しそうに話してるのを見ると、胸が痛くなるんです。
一颯君が喜んでくれると僕も嬉しいし、一颯君が悩んでたら力になりたい。
一緒にいると、心臓が壊れるんじゃないかってくらいドキドキして…
こんな風に思ったのは…一颯君が初めてで…

僕…なにかの病気なんですか?」

頭の中が、一颯君で一杯になるのか。

「あぁ…厄介な病気にかかったな。」

僕の話を聞いた先輩は、そう言って困ったように微笑んだ。
やっぱり何かの病気なんだと思ったら、一気に不安になって…
泣きそうになるのを堪えていると、椅子に座っていた先輩が立ち上がり、僕が寝ているベッドに腰掛け、今にも泣きそうな僕の頭を撫でてくれた。

その手が、とても優しくて…
いつの間にか、涙は引いていた。

「お前は…恋の病にかかってるんだよ。」

「こ、い…?」

恋って…僕が…一颯君に…?
で、でも…

「お、おと、男…同士…なのに…?」

「……好きになったもんは仕方ない。」

あ…そっか…先輩も、棗先輩と…
今の発言、失礼だよ…ね…

「あ…ごめん…なさい…僕…」

「気にするな。 最初は、誰だって戸惑うからな。」

やっぱり、先輩は優しくて…失礼な発言をした僕の頭をポンポンと撫でて、綺麗に笑ったんだ。
なんか、もう…安心したっていうか、一颯君に対する気持ちがわかってスッキリしたっていうか…
モヤモヤがなくなって、なんか、気持ちが楽になった気がしたんだ。

「あ、の…」

「ん?」

ちょっと、気になることを先輩に聞いてみることにした。
僕は誰かに恋をしたことがないからわからないんだ。
恋をしたら…

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