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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「おい。 そのへんにしとけよ。 他の新入生ほったらかしにしてるんだろ。」

「あ、そうだった。 じゃ、また今度語ろうな。」

神崎先輩の言葉に、原本先輩は思い出したように他の新入生の所に戻って行った。
やっと解放されたと言わんばかりに、体を伸ばす神崎先輩。

「ん~…ほんと、うっとおしい。」

「…仲…いいんですね。」

「ん?」

なんだかんだで、ずっと原本先輩に抱きつかれていた神崎先輩。
きっと、言うほど嫌じゃないんじゃないかな?

「ま、腐れ縁みたいなもんだしな。」

「??」

首を傾げた僕に対し、優しい笑顔を浮かべた先輩は、僕の頭をポンポンと撫でてくれた。
あんまり聞かれたくないのかな…?

「また明日来いよ。 明日は、一緒にセッションやろうな。」

「あ…は、はい!!」

時間を見ると、もう下校時間。
先輩と話すの楽しかったから、全然気づかなかった。

「じゃ、またな。」

「お、お疲れ様でした!!」

うひゃ~…神崎先輩、ほんとにカッコいいや。
動作の一つ一つが綺麗だし、あんな風に優しく頭撫でられたら、どうしていいかわからなくなっちゃうよぉ…

「ふぅ…帰るか。」

「う、うん。」

先輩方に挨拶をして、一颯君と一緒に音楽室を出た。 まあ、当然高羽さんも一緒に。

「沖田君はどっちの駅使ってるの?」

「俺? 俺はあっち。」

校門の前で、そんな会話をする二人。
僕らの学校は二つの駅の真ん中にあって、それぞれ駅を使う人が別れてるんだ。
僕は一颯君と同じ駅を使ってる。

「そっかぁ…じゃあ、私も今日はそっちで帰ろうかな…」

高羽さん、もう一つの駅使ってるのかな?
恥じらいながら言ってるのが、女の子らしいなぁ…

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