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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「先輩、お疲れ様です。」

「お疲れー。 この子が、お前が言ってた子か?」

「はい。」

先輩の質問に頷く一颯君。
僕の頭の中は「?」だらけ。

一颯君が言ってた子? 僕が?

「詩音。 部長の原本先輩と、副部長の神崎先輩。」

「あ、え、えっと…その…よろしくお願いします…」

「よろしく。」

「おう。 よろしく。」

ふわ~…二人とも、すごくカッコいいな~…
一颯君もカッコいいけど、先輩方も負けないくらいのイケメンさんだ~。

先輩の笑顔にぽーっとしていたら、神崎先輩がクスクス笑いながら頭を軽く撫でてくれた。

「ははっ。 お前、可愛いな。」

「へっ?」

い、今、先輩…え? なんて…?
かわ…か、可愛い…? 僕が? え、あの…僕、男なんですけど…

先輩の言葉に、僕、軽くパニック。
そんな僕を見て、先輩はまた面白そうにクスクス笑った。

「ほら、いいから新入生の相手するぞ。」

「はいはい。」

原本先輩の言葉に、仕方なさげに音楽室に入って行く姿までカッコいい先輩。

ほわ~…あんなカッコいい人達がいる部活に入るのかぁ…
女子に囲まれちゃって、あんまりお話しできなさそうだな…

「詩音? どうした?」

「あ、ううん。 あの二人、カッコいいなぁ…と思って。」

「ふーん…」

あ、あ…れ? 一颯君の機嫌が悪くなった…ような…?
僕…なんかまずいこと言っちゃった?

「じゃあ、今から入部説明会始めまーす。」

「ほら、入ろう。」

「あ…う、うん。」

気のせい…かなぁ?

先に高羽さんと音楽室に入って行く一颯君の背中を見ながら、首を捻る。
何気に高羽さんが一颯君と腕を組んでいるのに気付いて、また胸が「ツキン」と痛んだ。

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