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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「……ぅ、ん…」

本当は、一颯君と一緒にクラス委員やりたかった。
でも……高羽さんと、その友達の目付きが怖すぎる。 気弱な僕は、彼女達が望んでるようにすることしかできない。

「ゃ、やっぱり、ぼ、僕には…クラス委員なんて大役…で、できそうにないなって…思…って…」

「しお…」

「ね? だから、私と一緒にクラス委員やろっ!!」

無邪気な笑顔を浮かべる高羽さん。
彼女もその友達も、僕には目もくれないで一颯君の返事を待っている。

「俺は…」

「あ!! 見つけた!!」

「「!!」」

一颯君が口を開いた時…絶妙なタイミングでやって来たのは…

「京ちゃん!?」

なんで!? どうして、京ちゃんまでこんなところにいるの?

僕、完全にパニック。
それは、彼女達も同じようで…特に、京ちゃんを好きであろう女子は、こんなところを見られて、どうしていいかわからない様子。

他の二人も、これ以上は来ないだろうと踏んでいた第三者がまた来てしまったので、混乱しているようだった。

「いや~、捜すの大変だったぜ。」

「ぅわっ!!」

僕の傍に来るなり、頭をグシャグシャに撫でてきた京ちゃん。
手つきは少しだけ乱暴だったけど、どこか優しくて…すごく安心した。

僕、中学の時からこの手に護られてたんだ。

「二時間目サボってると思ったら、女の子に呼び出されてたのかよ~。 詩音モテモテじゃん。」

「そ、そんなんじゃないよ!!」

京ちゃんはそう言って僕をからかったけど、本当は気づいてた。
一颯君のことで呼び出されたんだって。
顔は笑ってたけど、目は笑ってなかったから。
彼女達一人一人を、厳しく睨んでいた。

「ほら、教室行こうぜ。 先生怒ってるし。」

「え゛…」

あ…この時間、担任の授業だった!!
うわ~、後で絶対怒られるよ~…

「京ちゃん…ありがと。」

「ん。 気にするな。 それより、大丈夫か?」

京ちゃんの言葉に頷き、どうしてここにいるのか尋ねた。
だって、思いっきり授業中だったから。
そしたら、僕が教室に来てないことに気づいて、一颯君が一番最初に教室を飛び出して行ったこと。 高羽さん達もいないことを不審に思って、先生に適当に言い訳して捜しに来てくれたことを話してくれた。

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