テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

「ふーん・・・でも、さっきの人たちもそうなんじゃない? 君のことを、友達だって言ってくれてたよ。」

「ふふふ。 うん、そうだね。」

この子、案外鋭い。

さすが天使?なのかな。

「でも・・・それは、高校に入ってからだよ。 それまでは、僕の世界には椿と駿しかいなかったから。」

「君のお姉さんを恨まないの? 両親と、一番大事な人を取られてさ。」

僕が椿を恨む?

そんなこと、ありえない。

だって、椿は・・・・

「椿は、これ以上にないくらい最高の姉さんだよ。 こんな僕が兄弟なことを喜んでくれるんだから。」

「・・・そう。」

いつも・・・・昔から、どんなに僕のことで他の人に悪口を言われても、決して僕を責めたりしなかった。

『私は、梓と双子なことを誇りに思うよ。 梓以上に最高の弟はいないもん。』

そう言って、満面の笑顔を僕に向けてくれるんだ。

「でも、この学校の人は君達が兄弟だってこと、知らないでしょ?」

「・・・・」

ほんと、この子鋭いな。

「うん。 僕が椿に頼んだんだ。 兄弟だってことは秘密にしてって。」

人生で最高の思い出になるはずの高校生時代。

僕のせいで、椿の高校生活を台無しにしたくない。

「へぇ・・・姉思いなんだね。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ