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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

そうか。 なにもしないでただ二週間過ぎるのを待ってるのも退屈だよね。

「ふーん・・・」

「僕も君に聞きたい事あるんだけど。」

「なに?」

無表情のままの男の子。

この子、笑ったりするのかな?

「どうして神崎駿が好きなの? 同じ男でしょ?」

「・・・・」

どうして・・・か。

どうしてだろう。

「僕ね、こんな性格でしょ? 愛想もよくないし、可愛げもない。 おまけに泣き虫で弱虫。 小さい頃からずっとこんな性格なの。
勉強ができる事くらいしか取り得のない、可愛くない子供だったわけ。

でも・・・椿は違った。
僕とは正反対で、愛想もよくて、可愛くて、いつも僕を守ってくれて・・・誰からも愛される。 そんな性格だった。

だから、僕の両親は何かと椿を優先していたよ。 仕事しか頭にないようなあの人たちでも、椿が学校で何かある度に、仕事を休んで椿を応援しに戻ってくる。

僕のことなんて、目に映ってない。

それは両親だけじゃなくて・・・祖父母や親戚の人。近所の人や学校の先生も、椿のことしか見てなかった。

誰も僕を認識しない中で、一人だけ違う人がいた。
それが、駿だったんだ。

駿だけが・・・・椿じゃなくて、僕を必要としてくれたから・・・・」

だから、僕は・・・・

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