
「再会」と呼べる「出会い」
第20章 見送る人
「…ハァ」
次朗君が私を見つめながら
切なく溜息をついた。
元気がない理由は何?
私は次朗君を見た。
カモフラージュがバレたこと
じゃないとしたら
一体何で落ち込んでいるんだろう。
「元気ないね」
「…」
何だろう。
「何かあったの?」
「…ここではちょっと
いい?」
次朗君は立ちあがり、
私について来るよう促した。
「あれ 二人でどこに行くのかな?」
空き教室に入ろうとした
山ちゃんがニヤニヤと声をかける。
「ちょっといってくる
先に食べてて」
私達は図書室に来た。
入口には
『利用は12:30からお願いします』
という札が下がっていた。
松井さんは隠土先生のところに
お昼を食べに行っているらしい。
札には構わず、
次朗君が図書室の扉を開ける。
幸い誰もいない。
カウンターの隣にある倉庫に
私たちは入った。
「この部屋
こうなってたんだ」
正面の小さな窓から
ブラインド越しに明かりが入る。
左の壁の本棚には古い本が並んでいる。
背中あわせの本棚が部屋の真ん中を区切り、
右の奥には隠されるように
布がかかる古いソファがあった。
次朗君はそこに座り、
私も座るよう促す。
ギシ
「わ」
座った瞬間、
お尻が飲み込まれるように沈んだ。
「壊れてるんだ」
「… みたいだね」
次朗君は俯き、言葉を考えている。
その真剣な表情に、私は怖くなった。
かんちゃんと隠土先生が
敵に何度か襲われたという話を聞いた。
その時はリョウ君や松井さん、校長先生が
助けてくれたって。
そしてこの間の教会でのこと、
ハクアやアゼットさんの存在や、
次朗君の魔力の消耗を目の当たりにして、
私は尚のこと不安になった。
「赤い石のことは話したっけ?」
次朗君が口を開いた。
「うん 教えてもらった
バラバラだったけど
次朗君達がほとんど集めて
今はかんちゃんが持っているんだよね」
「…そう
全部集められなくて
一部は向こうに渡ってしまった」
表情が一層曇る。
次朗君が私を見つめながら
切なく溜息をついた。
元気がない理由は何?
私は次朗君を見た。
カモフラージュがバレたこと
じゃないとしたら
一体何で落ち込んでいるんだろう。
「元気ないね」
「…」
何だろう。
「何かあったの?」
「…ここではちょっと
いい?」
次朗君は立ちあがり、
私について来るよう促した。
「あれ 二人でどこに行くのかな?」
空き教室に入ろうとした
山ちゃんがニヤニヤと声をかける。
「ちょっといってくる
先に食べてて」
私達は図書室に来た。
入口には
『利用は12:30からお願いします』
という札が下がっていた。
松井さんは隠土先生のところに
お昼を食べに行っているらしい。
札には構わず、
次朗君が図書室の扉を開ける。
幸い誰もいない。
カウンターの隣にある倉庫に
私たちは入った。
「この部屋
こうなってたんだ」
正面の小さな窓から
ブラインド越しに明かりが入る。
左の壁の本棚には古い本が並んでいる。
背中あわせの本棚が部屋の真ん中を区切り、
右の奥には隠されるように
布がかかる古いソファがあった。
次朗君はそこに座り、
私も座るよう促す。
ギシ
「わ」
座った瞬間、
お尻が飲み込まれるように沈んだ。
「壊れてるんだ」
「… みたいだね」
次朗君は俯き、言葉を考えている。
その真剣な表情に、私は怖くなった。
かんちゃんと隠土先生が
敵に何度か襲われたという話を聞いた。
その時はリョウ君や松井さん、校長先生が
助けてくれたって。
そしてこの間の教会でのこと、
ハクアやアゼットさんの存在や、
次朗君の魔力の消耗を目の当たりにして、
私は尚のこと不安になった。
「赤い石のことは話したっけ?」
次朗君が口を開いた。
「うん 教えてもらった
バラバラだったけど
次朗君達がほとんど集めて
今はかんちゃんが持っているんだよね」
「…そう
全部集められなくて
一部は向こうに渡ってしまった」
表情が一層曇る。
