無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「っははは！
　納得だわー」

「ちょ　馬鹿ショウヤ！！」

「いでっ　！！」

スミレちゃんがショウヤ君の頭を
グーで叩いた。

「どうせ
　色気なんて無縁ですよ…」

腹は立つけど、
二人にはそれで納得してもらえた
みたいだから良しとしよう。

きっとそのまま、
他のみんなにも伝わると思う。


隠土先生は
かんちゃんと次朗君のクラスの
家庭科の授業を担当している。

隠土先生とかんちゃんは両思いだから、
そういう"雰囲気"が出ることを
次朗君は懸念していたけど、
二人とも気をつけているようで
全くそういう素振りは感じられないらしい。

かんちゃんの方が隠土先生を
見つめちゃうことがあっても、
他の女子生徒も隠土先生に
似たような視線を送ることがよくあるので
特に目立たないようだ。


「二人共
　そういう雰囲気が出ないように
　頑張ってるしもういいよ
　何より俺自身が無理だった」

周りに聞こえないように次朗君は呟き
指先でそっと私の頬に触れた。

わ

こ　こんなどうどうとっ！

しかも　次朗君自身が無理だったって！

わーーーーーー

「ふふ　真っ赤」

私は湧き出る自分の感情を
どう押さえていいか分からず、
俯くしかなかった。