
「再会」と呼べる「出会い」
第20章 見送る人
「大学で 一緒なの?」
「いえ 高校で」
「そう」
声を出すのもつらそうだ。
「見えるところに飾っておくよ」
俺は花を窓辺の棚に置いた。
「高校行ってから はじめてね
優司が友達を 会わせてくれるの」
「え あぁ そうだっけ」
会わせられるような友達が
いなかったしな。
母さんは嬉しそうに微笑んだ。
安心したのかな。
「突然来てしまってすみません
辛いなら
横になってください」
「大丈夫よ
今日は調子がいいの…
来てくれてありがとう」
確かに、声はかすれていたが、
母さんの頬は少し染まり
顔色が良いように見えた。
「綺麗な手ですね
見せてもらってもいいですか?」
「ぇ おまえなぁ」
どういうつもりだよ
「綺麗なんかじゃないわよ」
母は手を差し出した。
「少し 冷たいかも」
?
「ほんと でも
気持ちいい」
次朗は母さんの手を取ると
その上に自分の手を重ねた。
「…なにやってるんだよ」
人の母親に
「不思議ね
何だか楽になって…」
次朗は母さんの手をそっと戻した。
「おまじないです」
「?」
おまじない?
「じゃ今日はそろそろ」
「母さん又来るよ」
「うん ありがとうね
次朗君もまた来てね」
「はい」
母さんは少しすっきりしたような笑顔で
病室を出る俺たちを見送った。
「お前さ
ミカがいるのに母さん口説くなよ」
「え あぁ 誤解だよ
でもお母さん綺麗な人だね」
「まあな」
親を褒められて悪い気はしない。
「いえ 高校で」
「そう」
声を出すのもつらそうだ。
「見えるところに飾っておくよ」
俺は花を窓辺の棚に置いた。
「高校行ってから はじめてね
優司が友達を 会わせてくれるの」
「え あぁ そうだっけ」
会わせられるような友達が
いなかったしな。
母さんは嬉しそうに微笑んだ。
安心したのかな。
「突然来てしまってすみません
辛いなら
横になってください」
「大丈夫よ
今日は調子がいいの…
来てくれてありがとう」
確かに、声はかすれていたが、
母さんの頬は少し染まり
顔色が良いように見えた。
「綺麗な手ですね
見せてもらってもいいですか?」
「ぇ おまえなぁ」
どういうつもりだよ
「綺麗なんかじゃないわよ」
母は手を差し出した。
「少し 冷たいかも」
?
「ほんと でも
気持ちいい」
次朗は母さんの手を取ると
その上に自分の手を重ねた。
「…なにやってるんだよ」
人の母親に
「不思議ね
何だか楽になって…」
次朗は母さんの手をそっと戻した。
「おまじないです」
「?」
おまじない?
「じゃ今日はそろそろ」
「母さん又来るよ」
「うん ありがとうね
次朗君もまた来てね」
「はい」
母さんは少しすっきりしたような笑顔で
病室を出る俺たちを見送った。
「お前さ
ミカがいるのに母さん口説くなよ」
「え あぁ 誤解だよ
でもお母さん綺麗な人だね」
「まあな」
親を褒められて悪い気はしない。
