テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第3章 再会日和

その後、
みんなの動揺は簡単には
収まらなかったけど、
始業式は滞りなく進んだ。

新任の先生方の紹介もいよいよ最後。
あの、横分け眼鏡先生の番になった。

「松井太朗です。
 司書として図書室に常駐します。
 探したい資料などがあったら
 遠慮なく聞いて下さい。
 よろしくお願いします。」

…松井先生は真顔で
サラリと自己紹介すると
すぐに後ろに下がった。

緊張してるのかな?
やけにあっさりした挨拶だ。

そっか。
今度はお姉さんじゃなくて
『図書館のお兄さん』になるんだ。

なんか… 

会えばいつもニコニコで
話しやすかった前任の
お姉さんを思い出し、
私は少しだけ寂しくなった。

「クールな人って
 やっぱ魅力あるよね!」

「笑った所見た~い
 っていうか笑わせたーいっ!」

女の子達の囁き声がする。
…クール?

そうなのかなぁ?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ