
「再会」と呼べる「出会い」
第3章 再会日和
「隠土先生が行ってしまわれたので
私の方から紹介します。」
教頭先生ではなく
校長先生がマイクを持った。
「家庭科の先生が男性というのは
なかなか珍しいと思いますが
隠土先生は信念を持って、
この教科で教鞭を取る事に
決められました。
その信念というのは
『高校を卒業し、親元を離れ、
独りで生活していくに当たって
最低限必要な生活の知識を
皆さんに伝えたい』
というものです。
隠土先生は新採ではありますが
教育実習での授業の分かりやすさ、
それだけでなく
真剣に教師という仕事に就く姿も
高く評価されています。
またお料理が凄く上手で、
料理部の顧問としても
存分に腕を振るって頂く予定です。
皆さん
よろしくお願いしますね。」
うわ やった…!
やっぱり料理部の顧問の先生なんだ!
ぐっと身近になれた気がして
なんだか凄く嬉しかった。
「やった!!料理部の顧問だって!!
超嬉しい!!」
エミがさっきとは一転
すっかりご機嫌になっている。
今まで名前があるだけで
あまり顔を出してくれなかった。
…サッカー部に差し入れに行く時は
必ず参加してくれたけど…
エミがちゃんと来てくれるなら
私は部長として嬉しいよ。
