テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

「…」

次朗君がゆっくり手を抜いた。
と、同時に水面が消える。

優司君は変わらず、
気持ちよさそうに
寝息を立てている。

「終了」

次朗君が
優司君を見つめて呟いた。

「…俺ってお人よしかも

 さ 次ー」

言いながらエミの方に向き直る。
優司君と同様、
額に現れた水面に手を入れる。

「 」

一瞬、次朗君の手が止まった。
振り返り、何故か優司君を見る。

「あーそういうことだったのね」

「何?」

そういうことって?
エミと優司君は
何か関係があるって事?





あれ?

私は廃墟での事を思い出した。
優司君、
エミの事気にしてたっけ。
二人は知り合いだったって
事だよね。

でもエミ、
私にそんな話は一切
したことない。

…なんで?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ