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「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

エミの埃で汚れていた顔も、
優司君の傷だらけの身体も、
隠土先生が治してくれて
すっかり綺麗になっている。

…良かった。

あとは
ハクアの記憶を消せば…


私と次朗君は二人の間に座った。

「あとは俺の仕事だね」

次朗君は優司君の服を捲り、
腰にあったという契約印が
消えた事を確認した。

「お前
 大丈夫なのか?
 相当魔力を消耗したって
 聞いたぞ
 記憶を消すのにも
 かなりの魔力が必要なんだろ?」

隠土先生が心配そうに
次朗君を見た。

「そのつもりで
 充電してきたよ ね」

「え え う うん」

うわぁあぁ…!

先ほどの行為を思い出してしまい
今度は私が赤面。

恥ずかしいよぉ


「次朗
 お前は露骨過ぎるんだよ」

隠土先生が次朗君を窘める。

「記憶を消すんだ…だよね
 普通の人間なら
 有り得ない体験を
 したんだもんね」

神鳥さんがエミを見た。

「犠牲になっちゃったんだね
 これ以上 こんな人を
 増やさないようにしなきゃ」


神鳥さんの瞳が
迫り来る人類への脅威に
対抗する決意を示していた。

隠土先生は寄り添うように
隣に立つと
そっとその肩を抱いた。

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