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「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

ここに来るのは二度目だ。

「いらっしゃーい!
 あらおじいちゃま
 また随分消耗して…」

梅子さんが
カウンター越しから、
心配そうに次朗君を
見つめた。


「だから補給しなきゃ」

「そうね!
 おばあちゃまがいるなら
 今は安心ね!
 …っておばあちゃま!!」

おばあちゃま
…馴れないなぁ。

「可愛い!!
 ちょっと退廃的だけど
 んまー!」

「これ 脱がせられる?」

次朗君がさらりと聞いた。

実はこのドレス
つなぎ目が無くて
どうやって脱いでいいか
分からなかったのだ。


「破れば?」

こちらもさらりと返す、
流石次朗君の曾孫。

破るって…



「いくらなんでも
 それじゃ強姦みたいでしょ?」

次朗君は
意外と紳士だ。


「あるわよ
 そういうプレイ」

「なんかこう
 特殊なんだよね
 材質が」

「…」


梅子さんが
穴が開くんじゃ
ないかって位に、
ドレスを見つめた。


「なる程 ね
 これは確かに…
 

 脱がせようとするから
 ダメなのよ」

「は?」





「自分で脱いでみた?」

「いえ
 …まだ」

「他人が脱がせられない
 そういう呪詛ね
 白い力よ これ 」

白い 力?


「…なる程 
 ありがと 分かったよ」

次朗君はそう言うと
私の肩を抱き、
エレベーターへと向かった。

「いってらっしゃ~い」

背後から
梅子さんの楽しそうな声。

「あ またね 梅子さん!
 あとこの間は 下着
 ありがとうございました!」

お礼はパンツの件。

「あー… うふふ
 また何時でも」





…恥ずかしいなんて
ものじゃない。

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