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「次朗君！！」

「大丈夫？」

「あー…魔力
　消耗したからな」

次朗君に駆け寄った
リョウ君が呟いた。


「来たときから既に
　かなり消耗してたからな
　…無理したんだな」

「次朗君」


だよね。
さっきも倒れたもん。

ごめんね　次朗君…。


「ミカ先輩
　補給　してあげたら？」

神鳥さんが微笑んだ。



…ん　補給


　　…ド　ギ　ッ
　　


「だなー
　お前を助けに来て
　こうなったんだもんな

　優司先輩は
　俺が隠土先生の所に
　連れて行くから」

「え　えっ　…」

「ねー　あの人って」

「うん…そうなの
　エミも」

神鳥さんが
木に寄りかかる
エミを見た。


「百瀬もいたのか？
　何でまた…」

「また吸精鬼を
　憑けられてたの」

「え　…そうか」

「ハクアっていう人に
　利用されてたみたい
　吸精鬼は取れたんだけど」

「分かった
　取り敢えずは
　帰って茜先生にも
　相談してみるよ」

「あ！
　あとね　教会の中にも
　人間の男の人達が」

「え
　…まー　結界張ってあっから
　解いたら元には戻れるだろ」

「そっか…」

「ミカ先輩大丈夫？
　何もされてないの？」

神鳥さんが
心配そうに私を見る。

「うん
　服だけ
　…これ着せた人は
　私を助けようとしてくれたし」

「？」

「アゼットさん
　…っていう人
　敵みたいだったけど
　彼女のおかげで
　エミの吸精鬼が取れたの」

「敵なのに
　…助けた？」

神鳥さんも、リョウ君も
驚いていた。


「お前知り合いだったとか？」

「初対面だと思うよ
　前世でも
　会った記憶は無いし…」

「ふーん…分かった
　一応礼は言っとくよ」

「うん　…なんか変だけど
　お願い」

だって敵　なんだもんね



「どれ　じゃ
　次朗さんの事は
　ミカに任せるな」

そう言って、
リョウ君は優司君を担いだ。

「何たって
　奥さん　だもんねー！」

「…いいの？
　仮でも彼氏だよ？」

「え　いいに決まってるじゃん！
　だって私が好きなのは…」


神鳥さんに耳打ちされた
その名前を聞いて
私は少し心が明るくなった。