テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第18章 冷 え

今のは本当に優司君?
それとも
今のが本当の優司君?




私は
知っている限りの
優司君を思い起こした。

いつも輪の中心にいて、
サッカーが上手で、
強引で、有無を言わせない。

そんな彼の姿ばかりが浮かぶ。







嫌な部分ばかりが
目立っていたけど



『やっと笑ってくれた』







猛反省したって
丸坊主で現れた。








『俺の事
 見捨てないでくれ』










思えば
強気なだけではない、
弱さを感じる時も
いくつかあった。


 
優司君の
見せてくれる笑顔に
ドキドキさせられたのは
事実だ。








「…ありがとう」


「…  ごめんな」





電話は切れた。








終わった。
本当に終わったのだ。


「っはぁ…」




無意識に大きな溜め息が出た。






今の出来事が現実であると
確かめるため、
履歴を確認する。


“公衆電話”







優司君と
お別れできたんだ…。





*…*…*…*…*…*…*





 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ