
「再会」と呼べる「出会い」
第17章 溶ける体温
不思議な場所だった。
黒い壁には
細かな模様が施されている。
天井から下がるシャンデリアには
蝋燭の灯が揺れていた。
それに照らされる家具達は
中世の絵画に
描かれているような形をし、
どれも黒光りしていた。
「ちょっと待ってね」
次朗君は繋いでいた手を離すと
ホテルのカウンターのような物に
向かって歩いた。
やはりカウンターも黒光りしている。
…カツーン
次朗君の足音と重なるように
もう一つ、別の足音が響く。
「あら」
一瞬、女優さんかと思った。
涼しい目元、
黒いショートヘアに部分的な白髪
…あれ?誰かと同じ?
黒いロングドレスに黒いレースの
ショールを肩にかけている。
そこだけ真っ赤な唇が
なんだかとてもセクシー…。
「やぁ 部屋空いてる?」
女の人に次朗君が話し掛ける。
知り合いなのかな?
「ええ
…」
女の人が私に目を移すと
細かった目を見開いた。
「おばあちゃま …!」
… え
女の人は私に向かって
真っ直ぐ駆け寄ってきた。
待って待って…
聞き間違いじゃないよね?
おばあちゃま
黒い壁には
細かな模様が施されている。
天井から下がるシャンデリアには
蝋燭の灯が揺れていた。
それに照らされる家具達は
中世の絵画に
描かれているような形をし、
どれも黒光りしていた。
「ちょっと待ってね」
次朗君は繋いでいた手を離すと
ホテルのカウンターのような物に
向かって歩いた。
やはりカウンターも黒光りしている。
…カツーン
次朗君の足音と重なるように
もう一つ、別の足音が響く。
「あら」
一瞬、女優さんかと思った。
涼しい目元、
黒いショートヘアに部分的な白髪
…あれ?誰かと同じ?
黒いロングドレスに黒いレースの
ショールを肩にかけている。
そこだけ真っ赤な唇が
なんだかとてもセクシー…。
「やぁ 部屋空いてる?」
女の人に次朗君が話し掛ける。
知り合いなのかな?
「ええ
…」
女の人が私に目を移すと
細かった目を見開いた。
「おばあちゃま …!」
… え
女の人は私に向かって
真っ直ぐ駆け寄ってきた。
待って待って…
聞き間違いじゃないよね?
おばあちゃま
