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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「綺麗な夕焼けだね」

私にさんざん待たされたにも関わらず、
咲の笑顔はどこか眩しかった。
図書館で何かいいことでも
あったのかな…。

「何かいいことあった?」

思わず聞いちゃった。


「うん ちょっとだけ
 …でもないかな」

「え 何々 ?!」

気になるよ~!!


「今度 話すね」

「えー…」

私はチラリと次朗君を見た。
コイツの前では
話しづらいことなのね。




「わ」

咲希が、突然足を止めた。

「?」

視線の先を見ると
私達から数メートル先、

背の高い…外人?


夕日を反射して、
ウェーブがかった髪の毛が
金色に輝いている。



「クソ…今かよ!」

次朗君が突然、
私達の前に立ちはだかった。






何??


「一人で二人じゃ
 分が悪すぎるな…

 かんちゃん!!」

「へっ?」

「咲希ちゃん連れて
 学校にダッシュ!!
 早く行って!!」



「何で??」

「いいから!!」


一体何がどうしたの??


「次朗君
 急にどうしたの?」

「ごめんね
 まさかこんなに急に来るとは
 思わなかったから
 …油断した」





外人がこちらに近づいてくる。

その顔が徐々にはっきりしてくると


「…エレミム」


私の口から言葉が漏れた。

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