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「…またかよ」

次朗さんが調理準備室を出て行った、
その数分後だった。

「松井先生？」

隠土先生が不思議そうに
額に指を当てる松井さんを見る。


「佐伯さん
　あの子また絡まれてます」

「は？！ミカが？！！
　どこですか松井さん！！
　相手は…？！！」



松井さんは次朗さんに命じられ、
風の力でミカを見張っていた。

理由は優司先輩に
会わせないようにする事と、
木瀬の件があったから
誰かに絡まれた時に
すぐに助けられるように。



…絡まれたって　
今度はどこのどいつだ？！


優司先輩と付き合って以来
何故かミカは変な男によく絡まれる。
イカ祭りでもなんかあったみてーだし。


「あれは…百瀬さん」

「百瀬も一緒なのか？」

身を乗り出した隠土先生が
百瀬の名前を聞いて、驚く。


「…学校で何やってんだよ」

松井さんの頬が
なんとなく赤くなった気がした。


その時だった。



ゾクリ…！！



周囲の空気に
冷たく、何か恐ろしいモノが
勢いよく混ざりこんだような
そんな感覚。




「隠土先生！
　これって…」

俺はすぐに隠土先生を見た。


「あいつだ…」

隠土先生の表情が苦悶に歪む。