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「百瀬！」

確認するように頬を叩くが
反応はない。


「香田　大丈夫だ」

隠土先生が
エミの頭の方に跪く。
額にそっと手を当てると、

「悪夢を見ているだけだ
　ま　精神的にはかなりやられるが…」

と言い、眉をゆがめた。


「何が　あったの？
　佐伯さん　話せる？」

校長先生が優しい表情で視線を合わせる。

「私　…考え事をしたくて
　ここに来たんですけど
　
　後からこの三人がきて…
　…あの…」


始めちゃったんです


…とは言いづらい。

なんて言えば


「あの…」

「この三人は
　淫行の常習だよ　茜ちゃん
　ま　例のサッカー部の件の
　主犯ってとこかな
　…黙っててごめんね」

「そう」


私の代わりに次朗君が答えた。
校長先生はすぐに納得したようだ。


「次朗さん　それだけ？
　百瀬さんからは
　何も感じなかったの？」


まだ聞いていない事がある

そういう口調だった。


エミが　何？






一体今　何が起きているのだろう。


壁を覆いかけいた氷が
蒸発するように湯気を出して消えていく。

頭で考えても
不思議な事だらけで全く理解出来ないが、
何故か感覚では理解出来ていた。


私は…。



＊…＊…＊…＊…＊…＊…＊