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「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

輝く粒子が
次朗さんを取り囲むように渦を巻く。

彼は淫魔である前に水守でもあるので
魔力と共に水の力を持っている。

兄である隠土先生が
浄化や癒やしの回復タイプなら
弟の次朗さんは攻撃タイプと言える。

その主な能力は水を固体化させたもの。
つまり氷 だ。




舞っていた氷の粒が
勢いよくこちらに向かって来る。
魔力が加わり、硬度が増しているので
ガラスの破片が飛んでくるようなものだ。




俺は身を守る為、
自分の前に土壁を作った。
しかしそれだけでは…

案の定、固い破片は一部
土壁をも貫通してきた。

避けるため、後方に飛んだ、その時


「土じゃ柔らか過ぎるんだよ」


目の前に逆さまになった次朗さんの顔




ガッ…!!



俺は脇腹に
まともに回し蹴りをくらい吹っ飛んだ。


「リョウちゃんの難点は
 絶対的な経験不足だね」


「…っ」


なんとか骨は持ちこたえたみたいだが
これは相当きく…

痛ぇ…




確かに 
俺はいまだ
敵と対峙したことがない。


やられっぱなしは嫌だと、
向かって行き、拳を振るが、
次朗さんはそれを全て鮮やかによける。


「全然
 君は君を活かせてない」



…っぁあ クソ!!

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