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「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

お店のドアが閉じると同時
辺りを照らすのは電灯と月明かりだけ。

そんな夜道を、
隠土先生と私は
学校まで並んで歩いた。


「佐伯 寒くないか?」

「大丈夫ですよ」

「そうか
 …なんかごめんな 俺で」





「寧ろ申し訳ないです
 ご心配おかけして」

「心配するもんだろ
 大事な…生徒だからな
 
 井崎から
 また連絡が来る可能性は十分にある。
 その時は ちゃんと言うんだぞ」

「…はい」



優司君とは
ちゃんと切れたわけじゃないのだ。

私のこと恨んでるだろうな…。


今日の優司君の表情が脳裏にこびり付き
背中を冷たくする。


 

「次朗のこと 頼っていいんだからな。
 二股なんて言える程
 次朗の事を思ってくれてるなら」

「…でも 申し訳なくて」

迷惑かけたくないよ。
だって好きだから。


「好きな子の面倒なら
 いくらでも歓迎するもんだよ
 
 頼られたいって気持ちがあるからな」





好き…


そう言えば私

次朗君に迫られはしてるけど
『好きだ』とは言われてないや。






なんだろ
急に不安が


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