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「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

「何か見つけちゃった?」

扉の中を覗いていた次朗君が
こちらに顔を向けた。


「…あの これ」

「俺の奥さん」




ショックを受けたわけではない。
けど、この感情を説明するのは難しい。

頭の中で
何かが渦を巻いて上がってくる。

上がってくるのは分かるのに

正体はハッキリしない。


「びっくりした…」

「…」

「奥さん どうして亡くなったの?」

聞いていいか迷うところだが

「病気」

「…そっか   …」




病気

若くして亡くなったんだもん。
きっと物凄く重い病だったに違いない。


「…ごめん 少しだけ」


次朗君の腕が私を包んだ。





これだけ似てるんだもん。
私と奥さんのこと、
重ねて見るのは当然かな。

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