
「再会」と呼べる「出会い」
第12章 イカ祭りの誘惑
夕方、
じいちゃんのギックリ腰を直す為
隠土先生が来てくれた。
触っただけで治してしまった事に
みんな驚いた。
土守の力は見たことあっても
水守の力を見るのは初めてだ。
「かーっ!
まるで何にも無かったみてぇな!
すげぇなぁ、水守!」
「お役に立てて良かったです。
ついでに、肝臓の方も。
飲み過ぎは良くないですよ。」
「そうか、すまねぇな。
あんた医者みてぇだなぁ。」
じいちゃんは何事も無かったかのように
布団から起き上がり、
仕事の続きに取り掛かった。
「ありがとうございました。」
「あーいや。
また何かあったらいつでも。
あと今日 ありがとな。
次朗が迷惑かけなかったか?」
「全然大丈夫っスよ。
次朗さん、
ミカとずっと一緒だったんで。」
「え 佐伯と?」
まだ聞いていなかったらしい。
「それがイカ祭りでバッタリ。
ミカは両親と一緒に来てて、
一緒にまわろうって事になって。」
「へーっ そうだったんだ!
用事って家族で出掛けるって
意味だったんだな。」
「次朗さん、
ミカの両親とすぐに打ち解けて。
晩飯にも誘われたらしいんスけど」
ほんと、
悪い事しちまったなぁ…。
「俺が
ちゃんと連絡しなかったせいで
敵が現れたと勘違いさせてしまって。
断らせてしまいました。
反省してます。」
「そうだったんだ。
けど良かったな。
進展したみたいだったか?」
「したんじゃないっスかねぇ。
二人っきりでいられて満足
…みたいなこと言ってましたし。
詳細は本人に聞いてみて下さい。」
進展 したと思うけどな。
歯止め利かなくなりそうってつまり、
そういうこと だよな。
「だな。 じゃあまた、学校で」
隠土先生はそう言って微笑むと
軽トラに乗り、行ってしまった。
なんとなく空を見上げると、
夕焼け空にカラスが1羽だけ
飛んでいくのが見えた。
鳴きもせず
消えていくその姿を見て
次朗さん …死なない よな。
ふと、不安になってしまった。
*…*…*…*…*…*…*
じいちゃんのギックリ腰を直す為
隠土先生が来てくれた。
触っただけで治してしまった事に
みんな驚いた。
土守の力は見たことあっても
水守の力を見るのは初めてだ。
「かーっ!
まるで何にも無かったみてぇな!
すげぇなぁ、水守!」
「お役に立てて良かったです。
ついでに、肝臓の方も。
飲み過ぎは良くないですよ。」
「そうか、すまねぇな。
あんた医者みてぇだなぁ。」
じいちゃんは何事も無かったかのように
布団から起き上がり、
仕事の続きに取り掛かった。
「ありがとうございました。」
「あーいや。
また何かあったらいつでも。
あと今日 ありがとな。
次朗が迷惑かけなかったか?」
「全然大丈夫っスよ。
次朗さん、
ミカとずっと一緒だったんで。」
「え 佐伯と?」
まだ聞いていなかったらしい。
「それがイカ祭りでバッタリ。
ミカは両親と一緒に来てて、
一緒にまわろうって事になって。」
「へーっ そうだったんだ!
用事って家族で出掛けるって
意味だったんだな。」
「次朗さん、
ミカの両親とすぐに打ち解けて。
晩飯にも誘われたらしいんスけど」
ほんと、
悪い事しちまったなぁ…。
「俺が
ちゃんと連絡しなかったせいで
敵が現れたと勘違いさせてしまって。
断らせてしまいました。
反省してます。」
「そうだったんだ。
けど良かったな。
進展したみたいだったか?」
「したんじゃないっスかねぇ。
二人っきりでいられて満足
…みたいなこと言ってましたし。
詳細は本人に聞いてみて下さい。」
進展 したと思うけどな。
歯止め利かなくなりそうってつまり、
そういうこと だよな。
「だな。 じゃあまた、学校で」
隠土先生はそう言って微笑むと
軽トラに乗り、行ってしまった。
なんとなく空を見上げると、
夕焼け空にカラスが1羽だけ
飛んでいくのが見えた。
鳴きもせず
消えていくその姿を見て
次朗さん …死なない よな。
ふと、不安になってしまった。
*…*…*…*…*…*…*
