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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「次朗君、何食べる?」

「俺はイカ焼きとイカ刺しと
 あとイカ飯かな。
 キヨと兄さんに
 お土産も買って行かなきゃ。」

「イカ、大好きなんだねぇ。
 売店に色々あるみたいだよ。
 私も何か買って行こう。」





私達は再び、イカ祭り会場に向かった。
勿論、手は繋いだまま。





「あらミカ!
 友達と一緒じゃなかったの?」

案の定
売店でお父さんとお母さんに
バッタリ会ってしまった。

「そ …そうだったんだけど」


私は次朗君をチラリと見た。


「ミカ先輩と離れ難かったんで、
 やっぱり断って貰いました。」




「あーらあら そうだったの?
 ミカったら
 随分思われてるのねぇ。
 ちゃんと応えてあげてる?」

「え え …うん」

わー わー…


「次朗君、良かったら晩ごはん
 家で食べて行かない?」

え お母さん?!


「そうするといい。
 家、近いんだし」

お父さんまで!!



「え じゃあお言葉に甘えて」


え  え




やだ




嬉しいかも…




…あれ



「そう言えば リョウ君は?」

「急用が出来たとかで
 慌てて帰ったよ。」



「慌てて …ですか?」

「そうそう、
 次朗君に心配しないでって
 伝えて欲しいって頼まれたわ」

「…」


次朗君の表情が 曇った。



え 何 ?



「すみません、
 俺も用事を思い出しました。
 また今度、誘って頂けますか?」

「え あー…うん
 残念だなぁ」

「次朗君…」


急に  何だろう


「ミカ先輩 ご両親と帰ってね。
 じゃあ、また」

「う  うん」





次朗君は行ってしまった。


何か あったのだろうか…。




*…*…*…*…*…*…*

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