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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

私はなんとなく
次朗君の肩に頭を乗せた。

「なんかいいね、こういうの
 まったりする感じ」

そう言いながら
次朗君が頭を撫でてくれる手が
凄く優しい。



なんかもう

怖い位幸せだ。




ぐぅ…





お腹さえ
大人しくしててくれたらなぁ…



「ミカの腹の虫は
 もう待てないって言ってるね」

ニヤリと次朗君が笑った。
…お恥ずかしい。



「さ 行こうか。」


あ!  …そう言えば


「あの…
 私さっきお母さんに
 友達とお昼食べに行くって
 言っちゃって… 」

「あー…
 会っちゃったら気まずいって事ね。
 大丈夫、上手くごまかしてあげるよ。
 元々は
 俺と一緒って事になってたし。」

「う うん。…ごめんね。」

「嘘つくの、下手だからなぁ」



…昔から

そんなニュアンスだった。

もうずっと前から私の事を
知っているとでもいうような…。


そんなわけ、ないけど。

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