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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「次朗君強いねぇ!
 私、びっくりしちゃった!
 それじゃ!! 」



「…どこ行くの?」

「山ちゃんとミッチから連絡が来て
 これから合流するんだ。
 だから ここでお別れ。
 またね!」


満面の笑顔を作ってそう告げると、
クルリと向きを変え、
私は歩き出した。



「嘘つくの 下手過ぎるよ」






「なんで俺から逃げるの?
 一緒にいて、辛い?」






「辛いよ」




「そっか…
 やーっぱり 俺って君に嫌われてる」


「違うよ」


「…」



「嫌いじゃないから辛いの!!」







風も 音も 時間さえも

止めてしまったような気がした。







本日何度目だろう。

…次朗君の腕の中


けど不思議



こんなに近いのに
心臓の音がまったく聞こえない。




「ほんとは
 このまま滅茶苦茶にしたいけど…

 今は出来ないんだ ごめんね。」


耳元で囁く声が
私の胸を 只 熱くする。





「…奥さんの代わりじゃ いやなの」


「代わり?
 違うよ

 君は君だから」



「…」






次朗君の優しい瞳に
吸い込まれそうな錯覚を覚えた。




どちらから ともなく、

私達はキスをした。





*…*…*…*…*…*…*



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