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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「てめ 何した…?!」


手首も楽になった。
けど…


「次朗君!!」


手首を掴んでいた男の方が
次朗君に殴りかかる。



「ったく…」

次朗君はサラリとよけ、
殴りかかって来た拳を掴み
相手を



鮮やかに投げ飛ばした。





「…」



「っだぁーーっ!!」

「骨、大丈夫?」

「っぅ…!!」


次朗君は自分が投げ飛ばした方の男の
腕や足を持ち上げたり、
押さえたりして確認している。

「うん、大丈夫
 …良かった 折れてない。
 お友達の方は失神してるだけだから。
 打撲痕は残るかもしれないけど
 日常生活に支障は出ないでしょ。
 ちゃんと連れて帰ってよね。」


「…っぐ!」

「それから

 次は無い。 分かるよね?」










「な   …はい…」



私の方からは見えないけど、
次朗君の顔を見た男の方が
サーッと一気に青ざめたのは見えた。





「っわ うわぁっ

 おいっ!起きろよ!!」

「ん ぅ…?」

「やべぇって 行くぞ!!」

「は? あれ?
 俺何してたんだっけ…」

「おら!!行くぞ!!」



片方を立ち上がらせると、
何か怖い物でも見たかのように
慌てて走り去って行った。



「…」

「…ミカ 先輩って
 絡まれやすい体質?」

「え あ  …分かんない

 あの
 助けてくれて
 ありがとうございました。」


私は頭を下げた。

形式的に…。

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