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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

彼の繋ぎ方は俗に言う、
“恋人繋ぎ”のように
指を絡めるのではない。

子供同士とか、
親子で手を繋ぐ時のように
私の手を包んでくれるだけ。


…本当は

内心では
次朗君と手を繋いでいると
凄く安心する。
 
その根拠は自分でも分からないけど…


守られている …というか
身を任せたくなる …というか



…ほんと、これじゃ






はぁ…




「人酔いした?」

「え ううん、大丈夫」

「具合悪くなったら
 無理しないで言ってね。
 今日はそういう日でしょ?
 何日目?」



男の子にあの日の心配をされるのは
…戸惑う。


けどその気にかけ方



「…初日」

「じゃあ
 明日はゆっくり
 家で休んでた方がいいね。
 腰回りは温かくしてた方がいいよ。」



この間の体育の時もそうだったけど
…おかあさんか お医者さんか…





「次朗君って
 今まで付き合ってた子にも
 生理の心配してあげてたの?」



私はそうでもないけど
普通ならどん引きされるんじゃ…


「今まで付き合ってた子?
 … いないからなぁ」










いないんですか?!!




そのルックスで?!



「え いないの!?」


「付き合うって
 感じのはなかったかなぁ…
 生まれた時から
 一緒に暮らしてたし
 …その延長で 結婚したし」




!!!!!!!!!!



え 待って


今 衝撃発言…!!!

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