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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

私達は博物館を出て、
外のイカ祭り会場へ向かった。

来た時よりも遥かに
お客さんは多くなっていて


「これじゃ
 いくら大きくて目立つ
 リョウちゃんでも
 見つけられないなぁ…」


次朗君が頭を抱えた。

私も、見渡しただけでは
両親を見つける事は出来ない。

でも

「こういう時の為に携帯電話って
 あるんだよ」

「あー なるほど」


私はお母さんの携帯に電話をかけた。


「お母さん
 今どこ? 


 …ーうん、分かった。



 リョウ君も一緒に
 向こうの方にいるみたい」

指差す先は
特に沢山の人でごった返していた。


「わ すっごい人
 はぐれないようにしなきゃ。
 
 
 はい」

「なに?」

次朗君が手の平を差し出す。

「なにって…
 こういう時こそ繋ぐべきでしょ?」



「いいよ 子供じゃないんだし」



私はまだ少し
怒りを処理出来てない。



「はぐれて心配すんの嫌だから」










次朗君は強引に私の手を取った。

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