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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「君は彼氏の事、
 どこまで詳しいの?」

「え」

「同じでしょ?
 好きなら相手のこと、
 知りたいって思うよね?」

「…」


ふいを付かれた

そんな感じだった。


私が優司君の事で知っているのは…


「サッカーが凄く上手で
 いつも誰かと一緒にいて…」

ご両親は井崎建設の偉い人で…






悪い噂があって




あと 何だろう。




「それだけ?」

「あとは…

 …!?」







…ちゅ






音を立てて、唇が離れる。




「ちょ…っ!!
 いきなり何するのよっ!」


「鈍臭いなぁ。
 いい加減学習しなよ。
 周りに誰もいなくて
 こんなに距離近くて…

 駄目って方がゴーモン… 


 うっ」






ボスッ




…って音がしたと思う。


鈍臭い 
って言われた拍子に
スイッチが入ったかの如く、
私は持っていたバッグを
思い切り次朗君のお腹に打ち付けていた。




「やられっ放しはイヤ!」



神鳥さんのお陰で学習した。

やられっ放しじゃ駄目なのだ。
私自身も受け身ばかりじゃなくて
戦わなくちゃ。

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