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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「…次朗くん」


わ 次朗君だ!



「次朗君…ってもしかして
 ミカを送ってくれた?」

「…うん」

「あらそうだったの。
 この間はどうもありがとう。」

「君が次朗君か!
 四津川だって?
 今度ゆっくり、遊びにおいで」


初対面なのに、何故か
次朗君はうちの両親に好印象だ。

…なんか嬉しい。


「ミカのご両親です。」

「そうなんだ…そっか」

リョウ君の紹介に次朗君が
開いたままだった口を塞ぐ。


「はじめまして。隠土次朗です。
 ミカ先輩には
 いつもお世話になっています。」

次朗君がうちの両親に丁寧に挨拶をした。


男の子のこういう姿って
なんだか キュンとくる 

…変なの。




「逆に
 ミカがお世話になっていそうね。」

「次朗君、しっかりしてるなぁ。
 良かったら一緒に回らないか?」


え お父さん?!


「そうっスね、
 俺もオジサンに会うの久し振りで
 嬉しいし。」

リョウ君が賛同しちゃった。

え えっ



「けど、なんか悪いよ…」


と言いつつなんだか嬉しい私。



「全然
 元々、誘うつもりだったし…
 用事って
 ご両親と出掛ける事だったんだ。
 仲良いんだね」





ズキュッ…!!






「う うん。仲良い方だと思う。」


昨日用事があるか聞いてくれたのは
これに誘ってくれる為だったんだ…。

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