
「再会」と呼べる「出会い」
第10章 文明の利器
私は店の外に出た。
「ごめんなさい、間違えちゃったの」
「間違い?」
…次朗くんの声だ
「うん、そう。
ごめんね、忙しかったよね。」
「平気」
「じゃ、そういう事だから。
失礼しました!」
「待って 今、どこ?」
「濁天」
「そう、待ってて。
俺ももうすぐ着くから」
「え」
今は 会いたく
…会いたい。
「あー、見えた」
…え !!!
斜め前のお家の角、
次朗くんがそこから出てすぐに
手を振っているのが見える。
わー…
「常連になってくれるのは嬉しいな。
一人?」
「ヤマちゃんとミッチと一緒…」
「そっか、てっきり木瀬って奴が
一緒かと思った」
…!?!
え あなたの耳にも入ったんですかっ?
噂 こわいよ~っ!!
「一緒なわけないよ」
「そうだね」
そうだねって?
そうだねって、何?!
「ミカ先輩ってさ
本当にどんくさいよね。
それとも狙ってやってるの?」
はぁっ?!
「なわけないでしょ?!
なんで私がそんな事っ…」
「ごめん…いじめたくなっちゃった。
本当は勝手に俺が腹立ててるだけ。
気にしないで」
「間違い電話に?
ごめんなさい、それは本当に」
「そういうところ。
狙ってはいないんだ。」
「え」
次朗くんが凄く近い。
あの匂いが分かる位、近い。
次朗くんの指が
俯く私の前髪をかき上げる。
この状況、何?
「手首掴まれて、あと何されたの?」
「何も」
「キスされたの?」
私は首を横に振った。
次朗くんから視線を外したかった。
だって今、顔なんてみたら
私きっとまた泣く。
「良かった…」
…駄目 だめだめだめだめだめ!!
私はそっと引き寄せられた
次朗くんの胸を押した。
木瀬くんの時とは違い、
あまり力を入れなくても
簡単に離れる。
なんだかな…
そのあっけなさがまた寂しい。
ほんと、自分が嫌だ。
私は何も言えず、
そのまま店の中に戻った。
「ごめんなさい、間違えちゃったの」
「間違い?」
…次朗くんの声だ
「うん、そう。
ごめんね、忙しかったよね。」
「平気」
「じゃ、そういう事だから。
失礼しました!」
「待って 今、どこ?」
「濁天」
「そう、待ってて。
俺ももうすぐ着くから」
「え」
今は 会いたく
…会いたい。
「あー、見えた」
…え !!!
斜め前のお家の角、
次朗くんがそこから出てすぐに
手を振っているのが見える。
わー…
「常連になってくれるのは嬉しいな。
一人?」
「ヤマちゃんとミッチと一緒…」
「そっか、てっきり木瀬って奴が
一緒かと思った」
…!?!
え あなたの耳にも入ったんですかっ?
噂 こわいよ~っ!!
「一緒なわけないよ」
「そうだね」
そうだねって?
そうだねって、何?!
「ミカ先輩ってさ
本当にどんくさいよね。
それとも狙ってやってるの?」
はぁっ?!
「なわけないでしょ?!
なんで私がそんな事っ…」
「ごめん…いじめたくなっちゃった。
本当は勝手に俺が腹立ててるだけ。
気にしないで」
「間違い電話に?
ごめんなさい、それは本当に」
「そういうところ。
狙ってはいないんだ。」
「え」
次朗くんが凄く近い。
あの匂いが分かる位、近い。
次朗くんの指が
俯く私の前髪をかき上げる。
この状況、何?
「手首掴まれて、あと何されたの?」
「何も」
「キスされたの?」
私は首を横に振った。
次朗くんから視線を外したかった。
だって今、顔なんてみたら
私きっとまた泣く。
「良かった…」
…駄目 だめだめだめだめだめ!!
私はそっと引き寄せられた
次朗くんの胸を押した。
木瀬くんの時とは違い、
あまり力を入れなくても
簡単に離れる。
なんだかな…
そのあっけなさがまた寂しい。
ほんと、自分が嫌だ。
私は何も言えず、
そのまま店の中に戻った。
