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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

マスターは相変わらず素敵。

「ミカちゃんいらっしゃい!
 おやおや
 友達連れてきてくれたの?」

ドアを開けると、にっこりと
出迎えてくれた。

「こんにちは」

私たちはボックス席に座り、
カフェオレを頂いた。
頼んでなかったけど、
マスターが凄く可愛いマカロンも
一緒に出してくれた。

「サービスだよ。
 趣味で作ってるんだ。
 元々パティシエ志望だったからね」



喫茶店ではなく
洋菓子店だったとしても、
絶対、繁盛してたと思う。

だってこんなに美味しくて、
可愛いマカロン、私は食べた事ない。
テレビや雑誌でだって、見た事がない。
そう言えば 昨日のクッキーも
簡単に作れそうな味じゃなかった。

「マーブル模様可愛い!
 食べちゃうの勿体ないよ」

ミッチが瞳をウルウルさせて
感動している。

「ふふ
 けどこの子は君に食べて欲しいって
 言ってるよ。
 はい、あーん」



!!!


「ぅわ…  ほんろに…」

マスターの綺麗な指が
ミッチの少し空いた口に
マカロンを入れた。

マスター… 
そんなサービスもあるんですかっ?!


次朗くんがこないだ言ってた
『たらしこまれるよ』
というセリフが、頭を過ぎった。

ミッチは色んな意味で …多分
とろけた表情を浮かべている。

「ミッチ、いーなぁ」

「へへ」

ヤマチャンがすごく羨ましそうだ。

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