
「再会」と呼べる「出会い」
第10章 文明の利器
「あ?」
「嫌がってるのに無理矢理なんて
悪趣味にも程があるわよ!」
「誤解だよ
俺ら仲良くしてるだけだって
見て分かるだろ? 神鳥」
かんどり さん
「仲良くしてる、ですって?
どこがよ?!
泣かせてるじゃない」
…
迫られる恐怖が理由でもあったが、
それよりも助かったという安堵感で
次々と涙が頬を伝った。
…神鳥さんが 助けてくれた…
「こういう風にせめられるの、
こいつ好きだからさ。
あーあ けど萎えたわ。
神鳥、責任取って
埋め合わせしてくれよ…
わ
…痛って…!」
神鳥さんの手が肩に触れようとする
木瀬君の手を掴んだ。
「貴重な休み時間、
埋め合わせして欲しいのはこっちよ。
…腕より足の方がいいかな
サッカー部の木瀬先輩ですよね?
私、握力には自信ありますよ」
「っ いっでっ…!!」
にっこり微笑む神鳥さんとは対照的に、
木瀬君の表情は酷く苦痛に歪む。
よっぽど痛いらしい。
「木瀬先輩が
こんなヒドイ人だったなんて
残念ですぅ。
ファンの子、
減らないといいですねぇ。」
口元は笑っているが、
目は木瀬君を睨みつけている。
周りを見ると、
数えられる程度ではあるが
ギャラリーが出来上がっている。
みんな声を潜めてはいるが、
その視線はこちらへと注がれている。
「くっそ…
ちゃんと借りは返すからな…」
悪役みたいな捨て台詞を吐き、
木瀬君は赤くなった右手首を
抑えながら図書室を出て行った。
「大丈夫?」
力が抜けてへたり込んだ私に
神鳥さんが手を差し伸べる。
私はその手に
躊躇なく自分の手を重ねた。
「嫌がってるのに無理矢理なんて
悪趣味にも程があるわよ!」
「誤解だよ
俺ら仲良くしてるだけだって
見て分かるだろ? 神鳥」
かんどり さん
「仲良くしてる、ですって?
どこがよ?!
泣かせてるじゃない」
…
迫られる恐怖が理由でもあったが、
それよりも助かったという安堵感で
次々と涙が頬を伝った。
…神鳥さんが 助けてくれた…
「こういう風にせめられるの、
こいつ好きだからさ。
あーあ けど萎えたわ。
神鳥、責任取って
埋め合わせしてくれよ…
わ
…痛って…!」
神鳥さんの手が肩に触れようとする
木瀬君の手を掴んだ。
「貴重な休み時間、
埋め合わせして欲しいのはこっちよ。
…腕より足の方がいいかな
サッカー部の木瀬先輩ですよね?
私、握力には自信ありますよ」
「っ いっでっ…!!」
にっこり微笑む神鳥さんとは対照的に、
木瀬君の表情は酷く苦痛に歪む。
よっぽど痛いらしい。
「木瀬先輩が
こんなヒドイ人だったなんて
残念ですぅ。
ファンの子、
減らないといいですねぇ。」
口元は笑っているが、
目は木瀬君を睨みつけている。
周りを見ると、
数えられる程度ではあるが
ギャラリーが出来上がっている。
みんな声を潜めてはいるが、
その視線はこちらへと注がれている。
「くっそ…
ちゃんと借りは返すからな…」
悪役みたいな捨て台詞を吐き、
木瀬君は赤くなった右手首を
抑えながら図書室を出て行った。
「大丈夫?」
力が抜けてへたり込んだ私に
神鳥さんが手を差し伸べる。
私はその手に
躊躇なく自分の手を重ねた。
