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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

背中に本棚の凹凸が痛い。
わたし、何故か木瀬君に迫られてる…

「やめてよっ」

「声出して不利なの、お前だろ?
 こんなとこ見られたら
 優司先輩押しの女子に
 益々睨まれるよな…」





私は
優司くんに告白された時、
そして頭を丸めて
学校まで会いに来た時の事を思い出した。




え  脅迫?!



「木瀬君  
 優司くんと仲良いんだよね?!」

「だよ。
 だからシェアすんの、
 自然の流れじゃね?」



…!!!



シェア?!
意味不明だよ!!




何言ってるの?!




「…お願い やめて」

力いっぱい両手で胸を押してるのに
びくともしない。


…ガッ




「や…っ」


木瀬君は私の両手首を掴むと
壁になっている本棚に押し付けた。

木瀬君の顔がどんどん迫ってくる。

「怯えた顔、そそるわ…」


ぅう… こんな所…



いっそ誰かに見られたいよ
助けて…   助けて…っ!


次朗くん…






「やめてっ!!」


私は声を振り絞った。







「やめなさいよ!!」








その声は、まるで矢のように
飛び込んできた。

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