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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

本の帯には泣けるって書いてあったけど
集中して読んでいなかったせいからか
特に心を動かされる事はなかった。

これって
書いた人に凄く失礼だよね…。

またいつか、ちゃんと読もう。
そうしよう。



…あれ?
カウンターに松井さんの姿がない。

本の整理でもしているのかな…

返却ボックスに置いていくだけでも
大丈夫なんだけど
一応、本棚の間を探す。


…いないや






お昼休みが終わるまでは
まだ時間があるので、
少しここで過ごす事にした。

新しい本を借りる気にはなれない。
またどうせ、ちゃんと読めない。


『生活・健康』のコーナーへ。
ここには料理の本がある。

…とは言っても
殆ど読んだのよね…。

部活で作る献立を立てるのにも
何度も利用させてもらっていて
大体は頭に入っちゃってる。


私はすぐ隣の段に目をやった。

『女性と出産』



…う


自分が
リアルに置かれている立場を
考えると、自然と手がのびた。

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