テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

「山一先輩、
 飯 終わりました?」

丁度お昼を食べ終えた頃、
園芸部のヨッチ君が顔を出した。

「今丁度ね。
 何?」

ぶっきらぼうに、ヤマちゃんが聞く。

「部紹介のパネル、
 変更したい箇所があって…」

「そんなの、香田君に
 見て貰えばいいでしょ?」

「香田先輩、自分は忙しいから
 山一先輩に聞けって」

「はぁ?!」

…さてはリョウくん、図ったな。

「…っもう どれ? …
 いいんじゃない?」

「だったらこっちは?」

「んー…」



ヨッチ君、
熱心にノートを見るヤマちゃんを見て、
なんだか嬉しそう。
ヤマちゃんのこと、
本気で好きなんだなぁ…。


「ごめん、私も用事が出来ちゃった。
 先に行くね。
 ヤマちゃん、ヨッチ
 任せっきりでごめんね。
 手伝うことあったら言ってね!」

着信があった携帯の画面を見て、
ミッチが慌てた様子で教室を出て行った。
…なんだろ こういうの珍しいな。
誰かからの呼び出しかな…。



ヤマちゃんとヨッチ君の
邪魔もしたくないし

「ヤマちゃん、また後でね!」

「あぁうん、後で! …こっちかな」

「山一先輩なら
 そう言うと思ってました。」

「…ぅ
 や やっぱりこっちっ!」



二人の事は凄く気になったけど、
私は空き教室を出て、
借りていた本を返すため、
図書室へ向かった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ