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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

「そうよね… 確かにミカは」

「…もういいでしょっ?!
 どうせ幼児体型だもんっ!!」

言われる前に 自分で言った。
言ってやった…っ
けど… 悲しいっ!!!


「いいわ 
 もう少し頑張ってみよーっと
 
 ミカももう少し色気出さないと
 ゆーじ先輩に振られるわよぉ」


と、エミは捨て台詞を吐き、
空き教室を出て行った。






なんかやだ





「ごめん!ミカ!!
 誤魔化すためとはいえ、
 酷いこと言っちゃった!」

エミの気配が消えるとすぐに、
ヤマちゃんが両手を合わせて謝った。
よく見ると涙目だ。

「大丈夫だよ!
 気にしてないから。
 それにまぁ、事実だし」
 
「ミカティに色気が無いなんて
 全然思ってないの

 只、エミと次朗君をくっつける
 協力なんてさせたくなくて…
 本当にごめんね」



「なんで…」

「私も嫌だった…。
 エミちゃんと次朗くんが
 くっつくのに
 ミカティが協力するとか…」

え ミッチまで…?

「理由は 
 自分でもハッキリしないけど
 …そうしなきゃいけないと
 思ったの。」

ヤマちゃんの目は凄く真剣で
適当な事を言っている
感じはしなかった。


「なんていうか…
 次朗くんとミカティ
 っていう組み合わせが
 やけに しっくりくるんだよね」

…ミッチ?何言ってるの?

「そうそう、それよ!」


なに?
なんで二人まで
リョウくんみたいなことを言ってるの?



  …ドク…




私と… 次朗くん。




なんでかな

この、胸を締め付けられる感じ…
どこか懐かしさを覚える。

…次朗くん



「二人共、何言ってるのよ
 私には優司くんがいるのよ
 次朗くんの事を好きになるなんて
 ないない」

「ミカティ、
 本当にそう思ってる?」

「どうしたの…?

 …あ 優司くんの噂のこと?
 あんなのデタラメだよ。
 だって優司くん、
 一緒にいる時凄く優しいもん。
 ちゃんと、大事にしてくれるよ。」

「ミカ…」 

「そんな心配そうな顔しないでよ。
 本当に、大丈夫だから。

 あ 私、図書館行かなきゃ!
 早く食べないと!!」



…ごめんね

せめて表面だけでも
自分自身を固めておきたいの。

それが例え、
本意じゃないとしても。


じゃないと私…


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