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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

妊娠への不安
優司君への不信
次朗くん

色々な感情が混ざりあって
その後、授業にも集中出来ない。

…これじゃダメだ…



「…はぁ」


お昼休み、
まだ二人が来ない空き教室に
私のため息だけが聞こえる。


気分を変えたくて、
窓を開けると涼しい風が入ってきた。

次朗くんの言った通り
日なたは暑くて、
体育の時間
見学しているだけの私は
じっとしてても汗が滲んできた。

ほんと
ショウヤ君も言ってたけど
次朗くんってお母さんみたい。
やっぱり年齢をサバ読んでるんだ。
もう、絶対そうだ。

私は勝手に思い込むことにした。
もうヤケクソだ。



窓の外では風で木々が揺れている。
花が終わった桜の木には
新緑が目立ち始めて、
その色彩は見た目にも爽やかだ。

ぼんやりと
そんな景色を眺めていると



「へぇ!ほんとにインドにいたんだ」

「やっぱり毎日カレーなの?」

「そうそう、流石に飽きてきて
 牛乳入れてみたり…」


…ぅぁーっ
なんで いるかな…

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