
「再会」と呼べる「出会い」
第10章 文明の利器
「先生
私、以前会った事があるような
気がしたんですけど…」
「あるよ
遠い昔にな
次朗にも」
「…次朗くんにも?
遠い 昔…?
あの…兄と中学、高校で
一緒だったって聞いたんですけど」
「!」
隠土先生は少し驚いた表情を浮かべた。
少し考えこむ。
「…っああ!!佐伯!!」
…え
今思い出したの?
「覚えてるよ 確か2コ下だよな
そっか、佐伯の妹か!
そう言えばそっくりだなぁ
元気か?」
「はい」
「そっかぁ、懐かしい。
あいつ、
打席では結果出せなかったけど
野手としては
誰にも負けなかったからな」
お兄ちゃんは野球部だった。
試合、何度か応援に行ったっけ…。
「俺、補欠でマネージャーみたいな事
ばかりしてたんだけど、
進んで色々手伝ってくれたっけ。
あいつ、洗濯干すのには
こだわりあんのな。」
「それ、今もですよ。
私が干してると文句言ってきて
結局やり直しする事になって
…やってくれるのは
ありがたいんですけど」
休みの日、兄は我が家の洗濯当番だ。
私や妹の下着なんかも
気にすることなく
シワを伸ばしてくれる。
最初は抵抗したけど
最近では私達が干すよりも
綺麗に乾くから任せてしまっている。
それに畳むのも上手い。
「ハハ そっか、元気なら良かった。
よろしく言っといてくれな」
「はい」
「ごめんな、寝てるとこ。
俺、一応いるから。
なんかあったら声かけて」
隠土先生はそう言うと、
間仕切りのカーテンを閉めた。
少し話をしたら気が紛れたみたい。
「ふぅ…」
一呼吸ついたら、
なんだか睡魔が襲ってきた。
昨日の夜は殆ど眠れなかったもんな
遠い昔 …か。
私、以前会った事があるような
気がしたんですけど…」
「あるよ
遠い昔にな
次朗にも」
「…次朗くんにも?
遠い 昔…?
あの…兄と中学、高校で
一緒だったって聞いたんですけど」
「!」
隠土先生は少し驚いた表情を浮かべた。
少し考えこむ。
「…っああ!!佐伯!!」
…え
今思い出したの?
「覚えてるよ 確か2コ下だよな
そっか、佐伯の妹か!
そう言えばそっくりだなぁ
元気か?」
「はい」
「そっかぁ、懐かしい。
あいつ、
打席では結果出せなかったけど
野手としては
誰にも負けなかったからな」
お兄ちゃんは野球部だった。
試合、何度か応援に行ったっけ…。
「俺、補欠でマネージャーみたいな事
ばかりしてたんだけど、
進んで色々手伝ってくれたっけ。
あいつ、洗濯干すのには
こだわりあんのな。」
「それ、今もですよ。
私が干してると文句言ってきて
結局やり直しする事になって
…やってくれるのは
ありがたいんですけど」
休みの日、兄は我が家の洗濯当番だ。
私や妹の下着なんかも
気にすることなく
シワを伸ばしてくれる。
最初は抵抗したけど
最近では私達が干すよりも
綺麗に乾くから任せてしまっている。
それに畳むのも上手い。
「ハハ そっか、元気なら良かった。
よろしく言っといてくれな」
「はい」
「ごめんな、寝てるとこ。
俺、一応いるから。
なんかあったら声かけて」
隠土先生はそう言うと、
間仕切りのカーテンを閉めた。
少し話をしたら気が紛れたみたい。
「ふぅ…」
一呼吸ついたら、
なんだか睡魔が襲ってきた。
昨日の夜は殆ど眠れなかったもんな
遠い昔 …か。
