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「あなたの対応、正解ね。
　若い先生達も、それに女子生徒達も
　あなたには注目してるわ。
　色々差し支えのないように
　“そういう事”にしておくのは
　アリだと思うわね」

「…はぁ、わかりましたか？」

「ふふふ…
　勿論、口外しないから
　安心して頂戴」

校長先生にはお見通しだった。
…うーん

やはりこの人、
“仲間”ではないにしろ、
ただ者ではない気がする。

「校長先生、宜しければ
　お送りします」

思い切って申し出でみた。

「ありがとう。
　けど私、学校で少し用事があって。
　それに夫が迎えに来てくれる事に
　なっているから」

「…そうですか」

「隠土先生、約束があるんでしょ？
　相手の方、待っているかもしれないわ」


そこは本当だって分かったのか…

「また明日」

「お疲れ様でした。」

校長先生は校舎の方へ消えた。


俺は駐車場の愛車へ向かう。

ばあちゃんの肩身の
青い軽トラが俺の愛車だ。
古いが、まだまだ動くし、
何より小回りが利いて良い。

…あれ？


軽トラの隣に
腕を振るシルエットが見える。

「おっかえり～。
　楽しかった？」

「次朗！」

待ってたのか？

「悪かったな…
　連絡先、聞けば良かった」

「連絡先？あー…
　ちっさい電話？」

携帯、持ってないのか？

「どっちにしろ、俺、持ってないから。
　苦手なんだよねー、文明の利器。
　パソコンとかも」

…今時、ないというのは
不便極まりない。

「取り敢えずいこっか
　話は移動しながら、ね？」

俺達は軽トラに乗り込んだ。

「軽トラ！懐かしいっ！」

「乗った事あるのか？」

「うん。少しの間、
　農業やったりしてたから」

「へぇ、お前が？」

似合わない。

「これこれ、独特の乗り心地。」

「旧式だから、尚更だよ」


一応
俺はアルコールが、
飲んだその先から浄化されるので
全く、飲んでいないのと
一緒の身体状況だ。

なので　飲酒運転にはならない。

一緒に飲んでいた人達に
見られたものなら、それはマズいが。