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「再会」と呼べる「出会い」

第4章 兄と弟



ウイスキーを沸騰させて
アルコールを飛ばし、冷ました物

…物足りなさは感じるが悪くない。

アルコールが駄目、ということは
肝臓でも弱っているのか?

なんとなく、その部分に目をやるが
特に何事もないようだ。
寧ろ、その上の方、
肺の黒いモヤが気になる。



俺はトイレに行くつもりで立ち上がり
わざと校長先生の真後ろで

「っ…おっと、すみません。」

「おやおや、大丈夫?
 初参加の緊張で深酔いしちゃった?」

躓いた俺に、すっかり出来上がった
教頭先生が声をかける。

「すみません、校長先生」

「大丈夫よ」

俺はぶつかってしまったフリをして、
校長先生の背中に触れた。

黒いモヤがスーッと消えた。



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