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「再会」と呼べる「出会い」

第4章 兄と弟

窓から出て行った次朗は
そのまま何処かへ消えた。



頭の中では
二人分の人生の記憶があり、
気持ち悪いような…
前世の記憶を取り戻したということで
スッキリしたような…

この感覚がなんとも言えない。


手のひらを見る。

そうか この特別な力は

『癒やしと浄化の力』

かつてハルシオだった俺が
持っていた能力だ。

この力で、月子を救う事が出来た。


…チャプン  


小さな水の玉がクルクルまわって消えた。


月子 …


「神鳥由芽」



『どこかで会いましたっけ?』

昼の調理室で彼女はそう言った。

…思い出してくれるだろうか。

そもそも彼女は、月子は
俺の事をどう思っていたんだろう。

お互い、
直接心を交わし合ったわけじゃない。

俺自身も『好きだ』とまだ言えてない。



「言えねーよ」

言えない。
相手は生徒だぞ。
俺自身、念願だった教師になれたばかりだ。

記憶と力を戻す、か…。

そもそも彼女にばかり頼るのはどうだ?

…あ
そういやアイツ、
仲間がいるって言ってたな…。

仲間


…って    ?

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