
溺れる愛
第21章 波乱の合コン
「うん…なんかさー、すげぇ2人だけの世界って感じ。
芽依ちゃんはどうかわからないけど
男の方は確実に気がありそうだよ」
「……だろうな…。」
俺が…別れさせた原因だし。
男は納得いかなかっただろうな。
でも…まさか、今でも芽依を…?
待てよ…もしかしたら、芽依もか…?
そう思ったら、いても立ってもいられなくなって
気がついたら
「おい、その場所教えろ」
って言ってた。
「ふふ…焦ってるねーなっちゃん。
教えてあげてもいいけどー…
でもさ、せっかくだし探してみなよ」
「はぁ!?無理に決まってんだろそんなの!
いいから言えよ」
「あっさり教えちゃつまんないでしょ?
それに、あんな男より俺の方が多分
芽依ちゃんは好きだと思うなー」
「そんな話はいいから!誠司!」
「はははっ!そうそう。その熱さ!いいよー、凄くいい!」
「おい、マジでいい加減に──」
「那津の能力があれば、探すのなんて簡単だろ?
本気で芽依ちゃんが心配なら
誰にも渡したくないなら…
自力で見つけてみな」
な…コイツ…!
「じゃーねー!頑張れ、なっちゃん!」
「ちょ、おい!!」
マジで…何考えてんだよ誠司の奴…。
一方的に切られた電話を呆然と見つめるも
すぐに思い直してパソコンを開いた。
────那津の能力があれば、探すのなんて簡単だろ?────
「当たり前だバカやろう…!」
絶対…誰にも渡さねぇ…!
そして、俺は勢い良くキーを弾いた。
