溺れる愛
第16章 冷雨
電源が入ると、予めプログラミングされていたのか
急に画面が白くなり文字が出てくる。
『……?』
一文字一文字浮かんでくる字を目で追うと
こういう文章になった。
【後は好きなように】
『は?何が?』
全く意味が分からなくてとりあえず履歴などを見てみるが何も残っていない。
アドレス帳にも誰も登録されていない。
だけど、データフォルダにだけ画像と動画が残されていた。
『これ…!』
それは、芽依が俊哉を隠し撮りしている動画と
那津とキスをしている芽依の画像。
『なんで…こんなもの……』
そこで今度は、もう一つ入っていた細長い箱に目がいった。
(これは何…?)
そっとその箱を手に取り、パカッと開いた瞬間
今度は本当に絶句してしまった。
(どうして…………)
それは、いつの日か
芽依がジュエリーショップで一目惚れしてしまった
あの可愛らしいハートのネックレスだった。
『なんで……知ってるの…?』
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える