
溺れる愛
第2章 衝突
「本当に手伝わなくていいの?」
困った様な表情の桃花に、芽依はにっこりと笑って答えた。
『うん!大丈夫だよ。森山くんも居るし。先に帰ってて。』
(本当は手伝って欲しいというよりは、この場にいて欲しいけど…)
「そっか。じゃあ頑張ってね。また明日!」
『うん!ばいばい!』
笑って桃花たちを送り出したあと、
広い教室には芽依と森山と大量のプリントの山。
校庭からは微かにクラブ活動や生徒達の声が届く。
『……』
「……」
(…って!気まずすぎる!!)
とりあえず近くにあるプリントを一枚とって
静かな教室には似つかわしくない程の大きな声で
『ぱぱっと終わらして早く帰ろうね!』
「……」
(…無視ですか。あーそうですか。
もう…なんで私がこんな事…)
芽依と森山は黙々と作業を進めていった。
