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溺れる愛

第8章 夏休





「芽依、今大丈夫?」


(この声は…先輩…!)



急いで障子戸を開けると、そこには予想通り
俊哉が立っていた。



「ごめんね、ちょっと確認しておきたくて」


『あ、はい!』


部屋の中で、2人きりになる。


(ヤバい…ドキドキしすぎて倒れそう…)


「今日から一週間、芽依はここに泊まってね」


『あの、私だけこんな良いお部屋に泊まるなんて…』


「こら。女の子なんだからこれくらい当然だろ?
しかも今回は無理言って参加して貰ってるのに」


『む、無理だなんて…私は…』



女の子という単語に、あからさまに喜んでしまう。


「一応スケジュール表を渡しておくけど、わからない事があったら何でも聞いて」


『はい、わかりました…』


渡されたスケジュール表に目を通すと
そこには1日のタイムスケジュールが細かく記されていた。


『あれ…先輩、最終日は…?』


そう。他の日はぎっしりと書き込まれているのに最終日だけは空白だったのだ。


俊哉は少し意地悪く笑うと


「まだ内緒」


と人差し指を立ててウインクした。



『…っ』



(か…格好良すぎる…!!何今の!!
ウインクが似合う人なんて…漫画以外で見たことないよ…!)



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